2018年7月公演演目G.ヴェルディのオペラ「運命の力」あらすじ
【時と場所】
18世紀中頃、スペインのセヴィリャとイタリアのヴェッレトリ
【登場人物】
レオノーラ(S): カラトラーヴァ侯爵の娘
ドン・アルヴァーロ(T): レオノーラの恋人
ドン・カルロ(Br): レオノーラの兄
カラトラーヴァ侯爵(Bs): レオノーラの父
グァルディアーノ神父(Bs): 修道院の僧院長
ほか
【第1幕】
時は18世紀中頃、舞台はスペインのセヴィリャ。カラトラーヴァ侯爵の娘レオノーラは恋人ドン・アルヴァーロと駆け落ちをしようとしています。アルヴァーロはスペインに滅ぼされたインカの血を引く者で、カトリック信仰を守る由緒正しき侯爵の家柄にそぐわず、結婚に反対されていたのです。しかし、二人で家を出ようとしたとき、父・侯爵に見つかってしまいます。アルヴァーロは無抵抗を示すために、持っていたピストルを床に投げ出すと、その衝撃で弾が暴発して侯爵に当たってしまい、侯爵は息絶えます。二人は、運命におののきながらその場を逃げ出したのでした
【第2幕】
逃走中にはぐれてしまった二人は、お互いに死んだものと思っていました。レオノーラの兄ドン・カルロは、父を殺した二人に復讐するため、二人を捜しています。その兄に見つかりそうになりながらもレオノーラは修道院に辿り着きます。彼女はそこでグァルディアーノ神父に真実を話し、修道院裏の洞窟で世を捨てて生きる道を選びます。
【第3幕】
舞台は変わってイタリアのある戦場。レオノーラの死を信じたアルヴァーロは偽名を使って士官となり戦場で戦っていました。同じくカルロも偽名を使い士官となっていて、二人は偶然にも出会い、お互い正体を知らずに友情を誓う間柄となっていました。
あるときアルヴァーロは戦場で重傷を負ってしまいます。彼はカルロに「自分が死んだらこれを焼き捨ててほしい」と小箱を渡します。何かを感じたカルロがその小箱の中を開けてしまうと、そこにはレオノーラの肖像画が入っていました。親友と思っていた彼が、実は捜していた敵だったのです。
【第4幕】
決闘を望むカルロに対し、アルヴァーロは修道院に身を隠していました。5年後、居場所を突き止めたカルロが修道院に現れます。そして、決闘に勝利したのはアルヴァーロの方でした。
アルヴァーロは洞窟の隠者にカルロの最期を見届けてもらおうと洞窟に入ります。なんとそこにいたのはレオノーラ。しかし、二人が再会を喜んだのも束の間でした。最後の力を振り絞ったカルロが、近づいたレオノーラを剣で刺したのです。
絶望するアルヴァーロ。レオノーラは、そこに駆けつけた神父に見守られながら、静かに息を引き取ったのでした。
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